樹脂加工とは

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樹脂加工とは

みなさん、こんにちは。

今日は樹脂加工についてのお話です。

プラスチック加工ラボは樹脂の試作部品、及び小量生産に特化した情報をお届けするサイトですが、最近は試作だけではなく、量産のお話も多くなってきました。

そこで今回は、試作から量産まで幅広く加工方法を紹介をさせて頂き、樹脂加工を依頼する際の基本的に押さえるポイントのお話をさせて頂きます。

目次



試作の工法

はじめに、試作に関する樹脂部品の製造方法を紹介します。基本的に単発の加工の依頼が多くなりますが、一部、少量の量産対応も紹介させて頂きます。


・切削

切削加工は、旋盤、フライス盤、CNCマシンなどの機械を使用して、素材を削り、希望の形状や寸法に仕上げる工法です。通常、ブロック状やシート状の樹脂材料を加工します。高精度で柔軟な部品製作が可能で、材料特性や加工条件を適切に管理することで、短期間で高品質な部品を製作することができます。特に試作品や小ロット生産において、その利便性が非常に高いです。樹脂切削加工の特性と注意点を理解し、最適な加工条件を設定することで、効率的な製造が可能となります。

メリット

精密な寸法と形状の部品が製作可能です。金型を必要としないため、短期間で試作品を製作でき、加工プログラムを変えることで、設計変更にも容易に対応でき、少量の生産に適しています。

デメリット

大量生産にはコストがかかることがあります。複雑な形状や高精度が要求される場合、加工時間が長くなることがあり、 樹脂特有の性質により、加工後の変化が大きく、工具の摩耗が早く進むことがあり、より高額な部品になる可能性があります。

切削加工の例


・真空注型

真空注型(Vacuum Casting)は、試作や小ロット生産に適した成形技術で、シリコン型を用いて樹脂部品を複製する工法です。複雑な形状や細かいディテールを再現でき、短期間で多様な材料の部品を作成するのに適しています。短期間で部品を製作でき、製品開発の初期段階の試作品やカスタム部品の製作に適しています。ただし、量産には不向きであり、精度や材料の特性に制約があるため、用途に応じた適切な加工方法の選択が重要です。

メリット

樹脂部品を短期間で製作するのに適しています。シリコン型を使用することで、原型の細部まで再現可能。金型を製作する必要がなく、比較的低コストで少量生産が可能です。特に初期投資が少ないため、小ロット生産や試作品の製作に向いています。

デメリット

シリコン型の寿命が短いため、大量生産には向いていません。通常、1つのシリコーン型で製作できる部品数は二十個程度です。また、使用できる材料が限られており、熱可塑性樹脂のような材料は使用できない点や金型による成形品程の寸法精度は得られないなど制限もある為、機構部品等の高精度で複雑な樹脂部品の製造には不向きです。

真空注型の例


・簡易金型による射出成形

簡易金型(Rapid Tooling or Prototype Tooling)は、短期間かつ低コストで製作されるアルミ金型を用いて樹脂部品を射出成形する工法の事です。
これにより、試作品の製作や小ロット生産が迅速に行えます。通常の生産用金型(本型)に比べて耐久性は劣りますが、試作や市場導入前の製品テストに適しています。量産用の金型と比較して耐久性には限界がありますが、その分の利便性と柔軟性を活かすことで、効率的な製品開発が可能となります。

メリット

通常の金型に比べて安価な材料(アルミニウムや樹脂)を使用するため、初期の製作コストが若干低く抑えられ、 短期間で製作できるため、製品の市場投入までの時間を大幅に短縮できます。

デメリット

生産量が増えると簡易金型の寿命が尽きるため、大量生産には通常の鋼材の金型が必要です。また、使用できる材料には限りがあり、高温や高圧が必要な成形材料には対応できないことがあります。

簡易金型の例


3Dプリンター

3Dプリンターは、3Dデータに基づいて物理的な三次元オブジェクトを少しづつ積層して部品を製造する装置を用いた工法の事です。これはアディティブ・マニュファクチャリング(積層造形)技術の一種で、材料を一層ずつ積み重ねて製品を作り出します。製造業や医療分野などでは革命的なツールとなっており、設計の自由度やカスタマイズ性の高さから多くの応用が可能です。熱溶解積層方式(FDM)や、光造形方式(SLA)など様々な方式があり、用途に応じて積層方式を選択できる点も特徴です。

メリット

短時間で製作でき、試作サイクルが短縮が可能。また、従来の製造方法では困難な複雑な形状や内部構造も容易に作成できます。さらに、カスタマイズが容易で、1個からでも経済的に生産できます。

デメリット

材料の選択肢が限られ、特定の用途や要求される性能に適さないことがあり、高精度や滑らかな表面が求められる場合に適用できないことがあります。大規模な生産には向いておらず、一般的にコストが高くなります。また、仕上がりの表面品質や強度に限界があり、後加工が必要となる場合があります。





量産工法

次に、量産に関する樹脂部品の製造方法を紹介します。基本的にリピート発注による量産対応が可能な工法を紹介させて頂きます。


・射出成形


射出成形(Injection Molding)は、溶融した樹脂を鋼材の金型に射出し、冷却・固化させて製品を作り出す製造方法です。この工法は、非常に高精度かつ高速で大量生産に適しています。金型の設計と製作が重要であり、初期コストは高いものの、部品単価を低く抑えることが可能です。射出成形は、自動車部品、電子機器、医療機器など、さまざまな分野で広く使用されています。

メリット

大量生産が可能で、一つ一つの部品のコストを抑えることができ、 高精度で複雑な形状の樹脂部品の大量生産が可能です。また、材料の選択肢が広く、さまざまな樹脂材料を使用することができます。

デメリット

初期投資が高額になるため、小ロット生産には不向きです。また、金型の設計と製作に時間がかかり、製品の変更や修正が難しい場合があります。





・ブロー成形

ブロー成形(Blow Molding)は、空気圧を利用して樹脂パリソンを金型内で膨張させ、ペットボトル等の中空形状に成形する工法を指します。この技術は、ボトルやタンクなどの製造に適しています。高速かつ効率的で、大量生産に向いており、材料の厚みや形状を調整することで、製品の強度や性能を最適化できます。

メリット

中空の製品を一体で成形できるため、シームレスで高強度の製品が得られます。大量生産に適しており、製造コストが低いです。さらに、材料の選択肢が広く、多様な樹脂材料を使用可能です。

デメリット

形状や寸法に制約があり、複雑な形状の製品の製造には不向きです。また、初期投資が高く、金型の製作に時間がかかるため、小ロット生産には不向きです。



・押出成形

押出成形(Extrusion Molding)は、溶融した樹脂を金型を通して連続的に押し出し、同形状、同断面の樹脂部品を成形する工法を指します。この技術は、パイプ、シート、フィルムなどの連続的な製品の製造に適しています。高速かつ効率的で、大量生産に向いています。樹脂材料の選択肢が広く、さまざまな形状やサイズの製品を製造できます。

メリット

連続的に製品を製造できるため、金太郎あめのような同じ断面形状の部品を高効率で大量生産が可能です。また、材料の選択肢が広く、多様な樹脂材料を使用可能で、異なる形状やサイズの製品を製造できます。

デメリット

形状や寸法に制約があり、複雑な形状の製品の製造には不向きです。また、初期投資が高く、金型の製作に時間がかかるため、小ロット生産には不向きです。



真空成型・圧空成形

真空成形(Vacuum Forming)と圧空成形(Pressure Forming)は、圧縮空気を用いて、シート材を金型に押し付け、圧力をかけることで、シートが金型の細部にまで密着し、詳細な形状が成形方法を指します。熱可塑性プラスチックシートを用いた成形技術で、さまざまな形状の製品を効率的に製造するために使用されます。真空成形は大規模な部品や迅速な試作に適しており、コストも抑えられます。一方、圧空成形は高精度で詳細なデザインの製品に向いており、品質の高い表面仕上げが得られますが、コストと時間がかかる傾向があります。

メリット

・真空成型はカバー類など大型の樹脂製品を成形する事に適した工法です。金型の制作費用も比較的安価で、短期間に製造できる点が特徴です。
・圧空成形は真空成型と比べ、細部まで成形が可能で、より複雑な形状の成形が可能です。また高品質な表面仕上げが得られる点も特徴です。

デメリット

・真空成形は複雑な形状や細かなディテールの成形が難しく、シート厚の均一性が求められるため、材料選びに制約があります。
・圧空成形は真空成形に比べ、金型費用が高く、成形プロセスが複雑で、成形時間がかかります。



見積もり依頼時のポイント

樹脂加工に関する見積もりを依頼する際には、以下のポイントを押さえておくとスムーズです。


1. 図面・仕様書の準備

製品の図面や仕様書を準備し、詳細な寸法や材料、表面仕上げなどの情報を提供しましょう。これにより、正確な見積もりが得られます。

2. 製造数量の明確化

製造する数量を明確に伝えることで、適切な製造方法やコストの見積もりが可能になります。

3. 納期の確認

希望する納期を事前に確認し、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。納期によっては、製造方法やコストに影響が出ることがあります。

4. 特殊な要件の伝達

製品に特殊な要件(耐熱性、耐薬品性など)がある場合は、事前に伝えておくことで、最適な材料や製造方法を提案してもらえます。

以上が、樹脂加工に関する基本的な情報と見積もり依頼時のポイントです。ぜひ参考にして、スムーズな見積もり依頼を進めてください。



まとめ


いかがでしたでしょうか。
樹脂加工には、試作段階と量産段階で異なる工法が適用され、それぞれの工法に特有のメリットと適用範囲があります。見積もり依頼時には、図面の有無や製作台数、納期、使用する樹脂素材、試作か量産かの区別、表面処理の有無などの情報を正確に提供することが重要です。これにより、加工会社は適切な方法とコストで見積もりを作成できます。

上記内容で不明な点や確認したい点などあれば、遠慮なくお問合せください。

プラスチック加工LAB 尾崎 康

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