
簡易金型って安いの?
みなさんこんにちわ。
突然ですが簡易金型ってご存知ですか?
知っている方、すでに使っている方もいらっしゃると思います。
なんだか安く型を作れるらしい・・・そんな声を聴いた方もいらっしゃると思いますが、実際のところ、コストをかけずに金型を作れるのでしょうか?
今回は簡易金型についてお話します。
簡易金型とは
簡単に説明しますと、金型は通常、鋼材で作られ、本型と言われます。樹脂部品を数十万~数百万ショットと大量生産することが可能ですが、鋼材の為、金型を作り出すまでに時間とコストが掛かり、金型代はかなり高額となります。

対して簡易金型では、上の図のようにモールドベースは既にあるものを使用し、図の赤い部分をカセット式にして、このカセット部にアルミ等の軽金属を用いることで、切削スピードを上げることが可能です。
特徴として、アルミ加工になるので工数の削減で供給スピードが上がるので、コスト削減や納期短縮等が挙げられます。
ええ!?じゃあ簡易金型で良いじゃん!となりますが、良い事ばかりではありません。鋼材の本型とは違う問題もございます。
簡易金型のデメリット
ショット数の限度
まず、簡易金型では、アルミという素材の為、金型のショット数が鋼材の本型ほど持ちません。多くて2~3万ショットくらいでしょうか。
形状によってはそれ以上持ちますが、まあ保障の問題もありますので、弊社では2万ショットとお話させて頂くことが多いです。
その他、修正の問題や、保管方法等の問題がありますが、概ね、ショット数の限界が低いということになると思います。
サイズの問題
また、モールドベースのサイズにもよりますが、基本的にカセット式になる為、大型の成形部品では、対応が難しくなってきます。
弊社では目安として、250mm位の長さまでとさせて頂いております。
その他、高さ方向も50mmくらいが限度であったり、条件が当てはまらなければ、本型での対応となってしまいます。
それでも、多品種少量で数万個単位の製品や、スタートアップの会社様ではコストを抑えてスタートできるのでメリットが高い金型と言えますね。
簡易金型のコスト感

で、実際のところ、鋼材の本型と簡易金型と費用で、どれくらい差があるかということですが・・・
条件や成型部品のカタチや精度でバラバラなので一概には言えませんが、あくまで目安として、本型に比べて簡易金型の方が2~3割ほどお安くなる傾向があると思います。
まあ、あくまで、国内、弊社基準でのお話ですので、海外で金型を製作されている場合、やっぱり海外生産の型の方がお安いと思います。
ですので、量産台数が少なく、国内で生産という場合はコストを抑え、金型生産が可能となります。
その他、簡易金型について知りたいという方、おりましたら遠慮なくご相談ください。